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help リーダーに追加 RSS 14000リクエスト 猫のように眠る君が

<<   作成日時 : 2008/08/08 18:03   >>

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黒さんからいただきました、14000ヒットのリクエストです。
不憫さがあまりうまく書けなかったような気もしますが、よ、良かったらもらってください…!


『猫のように眠る君が』


朝だな、と楸瑛は目を開いた。けれども飛び込む眩しさに、とっさにまた目を閉じる。
昨夜は仕事がどうにも終わらず、府庫の仮眠室に泊まり込んだのだったと、普段とは違う寝心地の寝台の上で状況を確認する。
と、いうことは。
楸瑛は少し体を起こして隣の寝台を見た。
案の定だ。
「…絳攸、朝だよ」
徹夜続きだったらしい絳攸は、一度声をかけたくらいではぴくりともしない。
「まぁいいか。もう少し寝かせといても」
なにしろとても気持ちよさそうに寝ているのだ。警戒心の欠片もない。
「…猫みたいな寝顔」
頬杖をついた腕とは反対の腕を伸ばし、白い顔に流れた髪の毛をのけてやった。
「…しかも猫っ毛」
柔らかな髪の毛の手触りをもう一度味わいたくて、手が遠ざけられなくなってしまった。楸瑛は、絳攸の寝台の端に移動して腰を下ろし、解かれて枕に広がる銀の髪を、するすると指先でくしけずってみる。
大きな猫をなでているようだ。いや、実際のところ猫なんかよりよほど彼の琴線に触れるのだけれど。
「絳攸、無防備だよ。縄張りはきっと、こういうときに奪われるんだと思うな」
寝られることに心底幸せを感じているのが分かる顔が、普段のしかめ面に比べて、なんと安心しきっていることか。
いとおしかった。
その顔を見られる位置にいることが誇らしかった。
色付いた桃のような絳攸の頬を、指の背でそっと撫でる。
…ん、と小さく吐息を漏らして身じろぎする彼はしかし、目を醒ましはしなかったようだ。そのまま、また規則正しい深い寝息が聞こえる。
「ねぇ、絳攸…」
まだ気持ちを確認しあったわけではないけれど、きっと君は私の想いに気付いている。
それでもこんなに側に近づいてくれるのは、私を拒否するつもりはないからなのだろうか。
指先で唇をなぞれば、くすぐったさに、ふにゃ、と要領を得ない呟きを彼は洩らす。
「なんだい、ふにゃって」
思わず笑んで、そのまま楸瑛は体を丸めるようにして、そっと絳攸にくちづけた。

*****

次の瞬間、楸瑛はがばっと絳攸から体を離した。
ただならぬ気配がしたのだ。
視線を戸口に向ければ、微かに覗く赤い衣。
―あ、赤い衣だって!?
それを宮城で身につける人物を、楸瑛は一人しか知らない。
コツン、と靴を鳴らして、思い描いた人物が仮眠室に入ってきたとき、とっさに楸瑛は次に取るべき行動を四択で思い付いていた。
1、土下座して交際の申し込みをする。2、しらばっくれる。3、絳攸を連れて逃避行。4、裸足で逃走…。
それをすぐさま検討する。2はあまりにも危険かつ誠意がない、3は絳攸が寝ているので現実問題難しい。4は流石に情けない、では1か、「お義父様絳攸をボクにください」か!
心を決めて楸瑛は寝台を下りようとした。
しかし、次の瞬間、彼は飛ぶようにして床に転がっていた。
―小刀…っ!
彼を目がけて、どこからともなく無数の刃物が飛んできたのだ。とっさに避けなければ、いくつか体に刺さっていたかもしれない。
不自然なまでの静寂のなか、パチンと赤い服の人物の手の中で扇が閉じられた。途端に、仮眠室の空気が緊張に張りつめた。
―殺される…!
楸瑛が察したように、一拍置いて数々の攻撃が彼を襲い始めた。

*****

ぴしり、と頬を何かで叩かれた。
うんと小さくうめいて、絳攸は目を覚ます。
「っれ、黎深さまっ!?」
どうやらその扇ではたかれたらしい。慌てて起き上がると、至極不機嫌そうな声で言われた。
「あまり遅くまで寝ているんじゃない」
「…すみません」
確かに日は随分高くなっている。絳攸は子供が叱られるようなことで注意を受けたことに、俺はいくつだとうつ向いた。
「行くぞ。百合が弁当を持ってきている」
「…はいっ!」
それで迎えにきてくれたのか。滅多にないことに絳攸の胸は浮き立ち、いそいそと身支度と寝台を整え、養い親の後に続いた。

そういえば腐れ縁の友人がいないことには、夕方になって、それを不審に思った王に問われるまで、絳攸はみじんも思い至らなかった。
彼の人の行方は、杳として知れなかったとかそうでもなかったとか。


(終)

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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
にゃん絳攸にちゅう後、逃げ回る不憫さん(^O^)
事後話も読んでみたいな〜あ、16666でしたよ〜
偶然です。
リーフ
2008/08/11 18:05
>リーフさん
コメントありがとうございます!
おお、カウンターをチェックしてくださってありがとうございます!何かリクエストがあればお受けいたします!
ただ、載せられるのが来月か再来月になってしまうかもしれません。もしそうなってしまったら申し訳ありません…!
つかさ
2008/08/11 22:36
17171、うわ〜い!絳攸の唇は、あ・甘いのでしょうか?きゃ〜言っちゃった〜(恥)テンションおかしくてすみません;;絳攸は寝てても起きててもにゃんこ属性ですね!
みぃ
2008/08/15 00:45
うれしいです〜〜〜楸×絳をお願いします、思いが叶って絳攸にでろでろ?めろめろオーラ垂れ流し?な楸瑛を、紅い恐怖を感じつつも鼻の下を伸ばし、周囲は傍迷惑だったり(^―^)vあ、私も不憫大好物です。。。
リーフ
2008/08/15 01:07
コメントありがとうございます!

>みぃさん
17171踏んでくださりありがとうございます☆
何かリクエストなどございましたらお受けさせていただきます♪
迷子の君は、猫ですね〜(笑)

>リーフさん
両思い後のあまあまでれでれな楸瑛、という感じでしょうか?
わ、わあ、初の両思いです。頑張りまーす!
つかさ
2008/08/15 15:14
あ〜あ、貴方は不憫(泣)でも好きvv眠ってる猫ってついちゅうしたくなるんですよ、私はいつも奪ってますvv
私的には是非、1か3!を希望しま〜す、4も捨てがたいですが(*^.^*)
後日何も知らない絳攸がズタボロな楸瑛を発見し「将軍職も楽じゃないな」なんて言われて肩を落とし「訓練じゃないんだよ…」と心で泣く楸瑛も良いかもです、ありがとうございました!

2008/08/17 23:28
>黒さん
こんばんは!コメント&リクエスト、ありがとうございました!
こんな感じでよろしかったのでしょうか…?
そうですね、きっとボロボロになって、でも原因が言えなくて、早く両想いにならなくてはと熱意を燃やす、なんてことになるかもしれません(笑)
本当にありがとうございました。またいらしてくださると嬉しいです!
つかさ
2008/08/18 00:53
やばいパソを使っているのでレス拝見が遅くなって…つかさ様すみません!リクOK嬉しいです!でもまだ17171リク有効ですか?
もし、よろしければお願いします。私の絳攸!と思っている将軍のやきもち話(楸瑛×絳攸)が読みたいです。思いは通じ合った後のお話、蜜月期な2人で絳攸はツンギレなので思いが叶ってもやっぱり苦労する藍楸瑛(笑)
みぃ
2008/09/21 22:45
>みぃさん
いらしてくださってありがとうございます!更新できていなくてこちらこそ申し訳ございません。
キリリクはもちろん有効です!
いま頂いているリクが他にもうひとつありますので、今月はそちらを書かせていただくつもりなので、みぃさんから頂いたリクエストは、来月末ごろ載せさせていただきます。遅くなってしまい申し訳ありません…!
両思い後の双花で、ヤキモチを焼く藍様の話、精一杯書かせていただきます!
リクエストありがとうございました!
つかさ
2008/09/24 00:22

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